バス停 - 身近な INFO DESIGN #9
市民の足、路線バス。
子供のころからよくお世話になっています。
いろいろな路線のいろいろなバス停で幾度となく見たはずの停留所の看板(?)。
停留所名が書いてある、あの細長い柱です。
その柱で今日発見してしまいました。
これ、車内側から撮ったものなんですが、発見は
「都01 1分前」
という電光表示。
これどうやら、運転手さん向けの運行情報のようです。
このバス停を1分前に都01のバスが通過した、という情報。
運転間隔とかの調整に使ったりするんでしょう。
で、私がうなったのは、その表示の場所。
これ、道路側なんです。
バス停に並ぶ人の目に入るのは歩道側の3面。
道路側は普通目に入りません。
その、乗客にとって目につかない面は、運転手さんにとっては実によく見える位置。
そこに運行情報を記載する。
適材適所ならぬ適報適所。
これまで全く気づきませんでした。
目には入っていたんでしょうが、意識に上りませんでした。
すぐれた情報デザインですね。
・・・
ちょっとまった。
これ、そんなに大げさに興奮することでしょうか?
運転手さんや運行会社にとっては当然の発想でしょうね、きっと。
目につく場所が空いてるんだからそこに出せないか?って。
なんで私が興奮気味かというと、これをデザインする人間の観点で考えたときに、これを設計できるのって難しいと思ったからです。
たとえば私が停留所のデザインを任されたとすると、まっさきに考えるのが乗客の視点だと思います。
遠くからでも見やすいように停留所名は大きく高く、
夜でも光るようにしよう、
時刻表も見やすく、
とか。
でも、運行業務のことを考え、運転手さんの視点を持たない限り
この「道路側の情報設計」には届きません。
実際にその仕事を任されるとなればそういう要件があるよ、と教えてもらうことになるんでしょうが、おそらくそのときに
「なるほど!その視点はなかった!たしかに!」と驚くことになったでしょう。
簡単に「使う人」といってもそれは役割の異なる複数の人になることがある。というか高い割合でそうなる。
個人利用の代表格スマホであっても、使う人だけでなくそれを直す人にとって重要な情報が分解した内部に書いてあるとか。
一つのものに対して役割の違う人が居て、それぞれに対しての情報設計は異なるのだと勉強になりました。
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