Purpose and UI、デビュー

仕事でUXUIデザイン、すなわち画面設計をやっています。

その際いつもしんどいのが、「どんな表現があり、どれを使えばいいのか」の検索と判断。


社内にも世の中にも、「ボタン」とか「リスト」とか、モノベースでの情報、はあふれています。


でも、「〇〇をやりたい。そのときに適したUIは?」という切り口で情報が探せない。


なので、

一覧したいんだから、「リスト」だろうな。

絞り込みたいんだから、「フィルタ」とか「キーワード検索」とかかな。

ファイルを取り込みたいんだから、「ファイル」、、いや、「取り込み」、、いや「添付」、ちがうな「Import」かな。


などのように、そのUIを探す側の人間が「やりたいこと」から「モノの名前」を想像、変換、検索という作業を強いられるのです。


で、出てくる情報は断片的、大量、玉石混合。

見つからないこともよくあります。


これがつらい。


ではどうしてこういう事態が起こるのか。私が思うに、


「作り手はモノを見ている」

「使い手はニーズで探す」


という溝が、埋まっていないのだと思います。


かっこいいボタンを作るデザイナー、開発者は、「ボタン」を見ています。

作成したら、その仕様や用途やデザインを、ボタンという "モノ起点" で発信します。

「届け、この情報!」と思って。


一方、それを求める側は、

「操作を完了させたい。そのUIは?」

と思っています。


ここにミスマッチがあります。「操作を完了させる」というニーズの解決策は

「ボタン」とは限らないんです。


スマホでメールを読んだとき、それを完了にするなら

「チェックアイコンをタップ」

または

「そのカードをスワイプ」

だったりします。


「ボタン」、出てこないんです。

厳密にいえば「チェックアイコン」は「アイコンボタン」というもので、ボタンです。

なのでたどり着けなくはないかもしれなくはなくはなくはない。


でも、「スワイプ」は難易度が高い。

というか、知らなきゃ思いつかないです。


もちろんここで、「スワイプ」の機能を作っている開発とデザイナーもいます。

彼らは彼らで、その仕様や用途やデザインを、「スワイプ」という "モノ起点" で発信します。

「届け、この情報!」と思って。


でも、届かないんです。


この不幸を解消すべく、インフォメーションデザイナーとして企画設計したのが

目的から適切なUIを見つけることができるページ、その名も

「Purpose and UI」です。


「ファイルを取り込む」「絞り込む」といった、ユーザーのニーズ・目的から探せるような設計。

それに対応するUI候補、それぞれの用途の違い、画像イメージ、仕様情報。



きっとみんなの役に立つはず!と思い、着想と初版作成から3年以上は経ったかと思います。

その間試行錯誤してきましたがなかなか本業の忙しさに流されたり自分の理解・造詣が浅かったりで

て大々的な公開までもっていけていなかったのですが、この度広く告知できるに至りました。


昨日、社内で公開の告知をしたら、


「待ってました!!!!」

「目的から探すやつ欲しかったです!」

「これは良ページのにおい・・・シェアします」

「すごいっ」


と、公開直後からいいねとコメントとシェアが入り乱れ、数時間のうちにいいね30件ほどの

反響がありました。

私SNS苦手なんですが、これはうれしかった。


自分の着眼、UIUXの実務で培った造詣、鍛えた表現力、持ち前の情報収集と体系化スキル、

そしてみんなの役に立ちたいという、根本的な想い。


これらが3年越しで実った、いや実り始めた瞬間を迎えられました。


出だしは絶好調。

これから、網羅性を高め、メンテナンスを考え、英語版も用意して、と

やること考えること盛りだくさん。


目指すは「本当に便利、もうこれなしでは考えられない」という境地です。


さあ始まりました、やっと漕ぎつけた、まごうことなき

「インフォメーションデザイナーとしての仕事」。


「欲しい情報が手に取るようにわかる世界」の実現、仕事のほうでも道が拓けました。

全力を賭してやっていこうと思います!


あ、これまでも全力賭してたな。


でもこれまではつらさも多かった。ここからはやりがいと楽しさでいっぱいになりそうです。


INFO DESIGN

"情報の地図作り"にまつわる活動をあれこれやっています。

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