バス車内の注意書き - 身近な INFO DESIGN #8
バスでよく見かける注意書き。
ブレーキによる転倒防止のやつですね。
物心ついたことから幾度となく目にしてきたこの手の注意書き。
普段あまり気にすることはなかったのですが、
情報デザインを志してからはここからもいろいろ気づくことができるようになりました。
1)ピクトグラム
これを見てまず目が行くのが、ピクトグラムでした。
- 転びそうな人
- 斜めになったつり革
- 3つの三角形
これらで、
「急ブレーキ」
「進行方向に向かってかかる慣性の力」
「転んじゃうよ、あぶないよ、の注意喚起」
を表しています。
実に秀逸なピクトグラムだと思います。
2)色
- プレートの外枠をぐるっと囲む、赤と黄色の枠線
- 真ん中の文を囲む赤枠と、黄色の地色
- 「バスが完全に停車してから」の赤の文字色
これらで、
「目を引く」
「最も重要な部分に注意を向ける(黄色の地色)」
「乗客が意識すべき行動を訴える(赤の文字色)」
を設計しています。
「停車してから立つ」という安全な行動を伝えているわけです。
3)位置
このプレート、座席の正面に掲示されていました。
ちょっとわかりづらいかなー。車内が映りこむとまずいかなと思って注意しすぎて
どこかわかりにくいですねごめんなさい。
車内中ほどの、降車ドアすぐ後ろの座席の、正面です。これ。
まあ言いたいことは、「座ってる人の視線の真ん前」ということ。
最も目が向けられやすい場所ですね。
4)言葉
- お願い!
- お降りの際は~
- 車内の事故防止
これらで、伝えたいことを端的に表現しています。
こういった要素を組み合わせて、乗客に伝えたいことを伝えているわけですね。
5)おまけ
私ちょっと気づいたことがあります。
これ、視点が乗客でなくバス会社さんになってるかな、と。
乗客の視点から考えると、
- 停車時の最後のブレーキで結構力がかかる
- 座席から立とうとしてるときってバランスとりづらくてコケやすい
- バスでコケるってけっこうケガするし危ない
- 完全停車してから立つと安全
- バス的には止まってからゆっくり立ち上がってもらう時間確保するんで、慌てなくて大丈夫
ってことが知りたいのではと思います。
なので訴えるべきは、
降りるときは、止まってから席を立ったほうが安全
席を立つ+ブレーキかかる=コケる、ケガするから危ない
大丈夫、バスはあなたをゆっくり待ちます
ってあたりなんじゃなかろうかなと。
常に利用者側の視点であるべし。
私の情報デザインに関するポリシーです。
(バス会社の方へ)
事情も知らずにエラそうにすみません。
いろいろ経緯や検討の結果これに至っているかもしれませんよね。
一意見でした。
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