シン・情報デザイン
私がデザインの道を志した2014年当時、情報設計やレイアウトに関する書籍はまだ多くなく、デザインチームで推奨とされていたのはこのノンデザイナーズ・デザインブックくらいでした。この書籍ではレイアウトについて教えてくれています。
レイアウトをはじめとした情報設計の変遷を踏まえ、今後について考えたいと思います。
情報設計の変遷
情報を記し伝える媒体は、粘土板、パピルス、活版印刷、絵や図を入れた紙媒体、Webサイト、スマートフォン、と変遷を辿りました。
近年ではxR、メタバースへと進化しています。
それぞれの媒体に応じて情報設計も変わってくるはず。そこを考察してみます。
Webサイト時代のデザインの基本
Webサイトのデザインをベースに学んだ私が知るのは以下のような内容です。
- レイアウトの4原則(近接、整列、反復、対比)
- 色(最低限の色数、意味を色で伝えない)
- タイポグラフィ(イメージに合うフォントを利用)
ホームページのレイアウト(シングルカラム、マルチカラム、グリッド、フルスクリーン)
これからは紙面や画面の制約にとらわれず、広い視野角の中での情報配置を意識した情報設計になっていくはず。
xR時代のデザインの基本
そこでポイントになるであろう観点が以下かと考えます。
- 存在しないという情報
- 情報の濃淡
- 情報の奥行き
存在しないという情報
情報は、存在するものをどう表現するかだけでなく、その情報はない、ということを理解もしたい。例えば、
新宿駅近辺で24時間営業している書店は?
答えは、ありません。(2023.7.17時点。INFO DESIGN調べ。以下同)
コロナ以前はTSUTAYAさんなど何店舗かありましたが、今はない。
これを存在しないという情報ととらえます。
これは本屋さんマップの絞り込み部分。この2店舗しかない、とわかります。
情報の濃淡
またそもそも早朝からやっている本屋さんはどこにあるのか?と考えると、
このような配置になります。東京駅近辺、渋谷駅近辺などに集中気味。アイコンがないエリアなども見て取れ、「あの周辺に集中していそうだぞ」とあたりをつけることがしやすくなります。
これを情報の濃淡ととらえます。
情報の奥行き
こちらは本屋さん情報のサイトへのブックマークをマッピングしたものです。
左上の「本屋」という丸印から「朝」というブックマークへ、さらに右に進んでいくとその関連ブックマークへ、と繋がっています。
また、下の方にある「本屋その他」という部分には文字が小さく、半透明で表現されているエリアがあります。
これは一階層奥にある、という表現を示しています。
欲しい情報とは、今そこにある情報そのものだけでなく、その周辺も含めて俯瞰的・立体的に存在します。そのことを含めて知ることができる情報配置。
これを情報の奥行きととらえます。
これからの情報デザイン
Webサイトやアプリの情報設計は、平面的、二次元的な画面の中という前提があります。
一方でxR、メタバースは三次元空間が前提。
とすれば自ずと考慮すべき観点、これまでの常識と異なるガイドラインが整備されていくはず。
考えながら自分でも探り、実践しながら見出していきたいなと思います。
いけいけ情報デザイン。
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